診療所及び文化住宅を短期間に明渡完了したケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)建物の状況
 大阪府内の鉄骨造りの3階建建物で、1階部分約200㎡を診療所として利用しています。その隣に、2階建木造文化住宅が存在しています。対象土地は駅からも近く、周辺には居住用のマンションや商業ビルが多く立ち並んでいます。

(2)建物賃貸借契約に関する事項
 文化住宅は8戸中6戸が入居しています。
 建物の面積は、診療所が約200㎡、文化住宅は各戸とも約30㎡で居住用として利用されています。契約の始期は、まちまちですが、古い入居者は50年ほど前から入居しています。契約期間は、診療所は20年、文化住宅は1年の自動更新となっています。

課題、争点

(1)解除原因または正当事由
 解除原因は存在せず、建物老朽化、有効活用を正当理由とする明渡しです。

(2)立退料について
 当初予算は2000万円でした。診療所の立退料は高額になることが予想されたため、文化住宅の借主への当初提示は、預かり敷金の全額返還と引っ越し代の負担を提示しました。解決額は約2500万円となりました。

交渉、解決のポイント

 診療所に関しては、近くに同種物件が見つからないと応じないとのことであったため、近隣同種物件を探索することが最大のポイントでした。当方で移転先情報を探索し、近くに候補物件を見つけることができ、その物件を移転先候補として条件交渉することに成功しました。
 その後は、その物件を前提とした内装デザイン等の設計に入ってもらい、条件を詰めることになりました。その結果、当初予算を若干上回ったものの、早期解決を実現することができました。

 文化住宅の借主に関しては、中々連絡が取れないことが多く、面談ができた後も当方が積極的にスケジューリングを行う必要がありました。また、移転先の情報収集に協力して、明渡しを促しました。その結果、最終的には、敷金の返還と引っ越し代の負担という条件で明渡しに応じた借主も多く、6戸全体として極めて有利な条件での明渡しが実現できました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 貸主は、当初より明渡し後の土地にマンション建築を計画しており、土地の高度利用、有効活用が可能となりました。

担当弁護士のひとこと

 借主側には、明渡しを急ぐ理由は全くないため、移転先の検討など、当方がお願いする事項について行動してもらえないことが多く、当方から積極的に働きかけることが必要でした。そのことが結果的に受任から9ヶ月で全て明渡しを完了することにつながったと思われます。



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