賃貸用マンションの入居者につき裁判上の和解によりに明渡完了したケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)建物の状況
 大阪府内の鉄骨コンクリート造の賃貸用マンションで、延べ床面積は約1000㎡です。建築後約50年が経過しています。対象建物周辺には、戸建て住宅や居住用のマンションが多く建っています。

(2)建物賃貸借契約に関する事項
 全15戸中2名が入居しています。
 各戸の床面積は各約50㎡で、いずれも居住用として利用されています。契約の始期は数年前で、契約期間は2年。自動更新条項があります。

課題、争点

(1)解除原因または正当事由
 解除原因は存在せず、建物老朽化、敷地の有効活用を正当理由とする明渡しです。

(2)立退料について
 当初予算は合計300万円程度でした。当初交渉を試みるも立退きに応じる意思は全くないとのことであったため、立退料の提示は行いませんでした。最終的には、裁判を経て、合計450万円で解決しました。

交渉、解決のポイント

 借主2名に個別に明渡交渉を試みるも、両名とも交渉に応じることは全くないと判断せざるを得なかったため、訴訟を提起することとなりました。
 2名については、代理人弁護士がつき、訴訟の早い段階から和解協議が行われることとなりました。この借主に関しては、残り1件とすることのメリット等を考慮し、立退料250万円での和解に応じることとしました。

 他の1名は本人訴訟でした。裁判所も当初より、借主にも条件を提示するよう和解による解決を促しましたが、数年後の退去を提示するなど非常識な態度をとる人物でした。当方は一旦和解を打ち切り、判決を取るべく専門家による老朽化に関する意見書の提出など立証活動を行いました。最終的に、裁判所による強力な和解勧告がなされ、立退料200万円での和解が成立しました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 貸主は、当初より明渡し後の土地にマンション建築を計画しており、土地の高度利用、有効活用が可能となりました。

担当弁護士のひとこと

 本人訴訟の借主は、裁判を楽しんでいるような節もあり、裁判が長引くことは何としても避ける必要がありました。残り1件となっていることや借主のそのような訴訟態度は裁判所にも理解され、強力な和解勧告を引き出すことができたことから、解決に至りました。



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