住宅街の一団地にあるアパート2棟につき短期間で立退きを実現した事案

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)建物の状況
 東京都内の最寄り駅から徒歩5分圏内の住宅地に所在する2階建ての2棟の木造アパートで、居住用として合計30戸に賃貸されていました。
 建築から約30年が経過している建物です。

(2)建物賃貸借契約に関する事項
 多くの借主が建物建築直後から入居している状況で、契約期間は、2年ごとの自動更新条項が付された普通借家契約でした。

課題、争点

(1)解除原因または正当事由
 借主には契約違反等の解除原因がなく、建物の老朽化、建物敷地の有効活用を正当事由とした明渡請求の事案です。

(2)立退料について
 貸主の当初予算は2000万円でした。交渉の結果、30戸中、3戸については0円、14戸については各30万円、2戸については各80万円、1戸については170万円となり、解決額は合計750万円となりました。

交渉、解決のポイント

 貸主は、早期に建物の建替えを行いたい意向であったため、裁判を避け、交渉による解決を目指しました。また、立退料を低く抑えるということ以外にも、借主の人数が多いため、できる限り全借主の退去時期を揃えることで貸主が収受する賃料を減額させない工夫が必要となった事案です。
 不動産会社の協力を得て、移転先物件を多数提供することができたことも相俟って、多くの借主が周辺に引越すことができ、交渉開始から約半年後に全借主が退去しました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 現在、建物は取り壊され、新たにマンションの建築が進んでいます。

担当弁護士のひとこと

 借主が多い建物の場合には、退去時期・立退料等の条件面を借主毎に丁寧に検討しつつ、全体の解決の目処も予測し、全体のバランスをとっていくことが重要であると思われます。 



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