美容室及びレストランを短期間に立退き完了したケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)建物の状況
 大阪府内の木造造りの2階建建物(5軒の連棟)で、建物は著しく老朽化していました。5軒のうち2軒にテナントが残っており、2軒はそれぞれ美容室及びレストランで、いずれも、1階及び2階部分計約100㎡を利用しています。対象建物は駅から近く、周辺には居住用のマンションなどが多く立ち並んでいます。

(2)建物賃貸借契約に関する事項
 占有面積は、それぞれ約100㎡であり、商業用として利用しています。契約の始期は、まちまちですが、いずれも20年以上前から使用しています。契約期間は、自動更新となっています。

課題、争点

(1)解除原因または正当事由
 解除原因は存在せず、建物老朽化、有効活用を正当理由とする立退きです。

(2)立退料について
 商業用テナントであるため、立退料はある程度高額になることが予想されましたが、最終的な解決額は、それぞれ、約200万円、約500万円となりました。

交渉、解決のポイント

 美容室は、長年経営されてきたこともあり、顧客離れ等の理由から、退去に応じず、レストランも、同様の理由及び移設先の問題から退去を拒否しました。
 美容室については、退去の時期について、最大限、借主の意向を尊重するとともに、借主固有の悩み事項について寄り添い、前向きな交渉ができました。金額についても、引越し費用に加え、営業利益1年分の補償料を提案したところ、これに同意し、結果として、約200万円の立退料での解決ができました。

 一方、レストランは、移設先がなかなか見つからず交渉は難航しましたが、当方は訴訟提起を見据えた姿勢を示しつつ、老朽化が著しいこと、さらには新たな経済合理性のある建築プランがあることにつき詳しく説明し、これで正当事由が十分に満たされることを主張しました。その結果、立退料約500万円で、解決することができました。
 いずれも、受任後1年以内に依頼者が望んでいたとおりの解決ができました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 貸主は、当初より立退き後の土地にマンション建築を計画しており、土地の高度利用、有効活用が可能となりました。

担当弁護士のひとこと

 借主側には、立退きを急ぐ理由は全くなかったため、交渉をスムーズに進めるためには、交渉先との良好な信頼関係を形成することも重要となりました。このような信頼関係を形成できたことが、受任後約1年内での解決につながったと思われます。



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