賃料不払いを理由とする解除が認められたケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)建物の状況
 賃貸人は東京都23区外の店舗や戸建住宅が点在するエリアに建物を所有し、賃借人(法人)に対し、店舗及び診療所として賃貸していました。

(2)建物賃貸借契約に関する事項
 建物賃貸借契約は、10年間の定期建物賃貸借契約であり、賃料は1か月約50万円でした。
 賃借人は、賃貸借契約開始後5か月程度は賃料を支払っていましたが、その後賃料を支払わなくなり、賃貸人が賃料の支払いを督促しても、これに応じず、賃料の不払いを継続したため、賃貸人は当事務所に相談しました。

課題、争点

(1)解除事由、正当事由
 受任後直ちに5か月間の賃料不払いによる解除を理由とする建物明渡請求訴訟を提起しました。
 賃借人には代理人が就任し、期日に同代理人が出頭しましたが、同代理人が、同建物は賃借人の関連法人に転貸しており、賃借人自身は使用していないとの答弁を行いました。
 そこで、賃借人の代理人に対し、転貸先の法人も訴訟に参加させるよう要請したところ、和解協議に転借人が利害関係人として参加し、三者で和解が成立しました。

(2)立退料について
 賃料不払い及び無断転貸について争いがなく、立退料なしでの明渡を認める和解が成立しました。
 さらには未納賃料全額の支払いを受けることにも成功しました。

交渉、解決のポイント

 訴訟係属中、本件の賃借人の法人において、内部分裂があり、別法人が建物を使用していたことが判明しましたが、和解協議に利害関係人として引き込むことに成功し、三者で建物明渡の和解を成立させることができました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 退去後速やかに新たなテナントに入居してもらい、安定した賃料収入が得られるようになりました。

担当弁護士のひとこと

 無断転貸が判明した時点で、転借人に対し別途訴訟を提起するのが通常ですが、賃借人代理人に強く申入れを行い、転借人を和解協議に利害関係人として参加させるという方法により、速やかに事案を解決することができました。



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