一団の土地上に点在する貸し土地を短期間に明渡完了したケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)土地の状況
 大阪府内の宅地約1000㎡に居住用の平家ないし2階建木造建物が点在しています。対象土地は駅からも近く、周辺には居住用の高層マンションが多く立ち並んでいます。

(2)土地賃貸借契約に関する事項
 既に空家となっている建物も存在し、契約が継続している借主は4名です。
 土地の占有面積は、いずれも100㎡前後で、全て居住用として利用されています。契約の始期は、戦前で、80年程度経過しているため、契約満了時期はおよそ10年後となります。

(3)特記事項
 当初の借主について相続が発生し、建物名義が変更されていない借主もおり、権利者を特定する必要がありました。

課題、争点

(1)解除原因または正当事由
 解除原因は存在せず、また、土地賃貸借契約の終了時期も遠いため、任意の明渡交渉によらざるを得ません。

(2)立退料について
 当初予算は約5000万円でしたが、当初予算の半額程度を提示しました。解決額は約3500万円となりました。

交渉、解決のポイント

 当初から条件次第では明渡を検討してもよいという借主に対しては、移転先の情報や借主の家族とも面談し、円滑な移転を手助けするとともに、情報を共有しながら条件交渉を行いました。
 また、依頼者は、空家の建物を含め一帯の土地の有効活用する計画であり、建築計画を実行するにあたり土地の整備費用が掛かることに変わりがないため、借主の建物解体費用を免除するという提案を行うことが可能でした。
 そのため、結果的に有利な条件での明渡しが実現できました。一方、当初明渡の検討すら拒んでいた借主も、全体の状況を認識することにより交渉に応じるようになり、明渡が実現しました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 貸主は、明渡後の土地にマンション建築を計画しており、土地の高度利用、有効活用が可能となりました。

担当弁護士のひとこと

 交渉による解決が求められ、かつ土地所有者の有効利用計画の実現のためには、全ての借主との間で短期間の間に明渡を実現しなければならないというプレッシャーはありましたが、依頼者はもちろんのこと、交渉相手である借主とも情報共有を欠かさず、その状況に応じた条件提示を行うことにより、全体を1年以内に解決することができました。



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