地代不払いを理由に借地契約から借家契約に変更したケース

※ 弁護士の守秘義務に関する日弁連規程第4条第4号にしたがい、掲載にあたり依頼者が特定できないよう、また依頼者の利益を損うおそれがないよう実際の事例を一部加工しております。
   

ケースの概要

(1)土地の状況
 大阪府内の宅地約400㎡。対象地は駅から近く、周辺は住宅と店舗が混在する地域。同地上には借主所有の店舗兼住宅の他に、別の借主が所有する2件の店舗建物が存在。

(2)土地賃貸借契約に関する事項
 借主は、当初の借主である親から本件建物を相続しましたが、居住又は事業での本件建物の利用は行っておらず、建物を倉庫代わりに利用していました。
借主は、以前より地代の支払いが遅れがちでしたが、1年ほど前からは地代を支払わない状況が続いていました。

(3)特記事項
 本件建物は隣接する別の借主所有の建物と接着しており、一体として長屋のような建物を形成しています。

課題、争点

(1)借主との交渉
 借主は被害者意識が強く合理的な意思疎通が困難な性格であったため、交渉は早期に切り上げ、建物収去土地明渡を求めて裁判所に訴えを提起しました。

(2)建物収去について
 本件建物は周辺建物と接着しており、本件建物のみの収去は困難でした。

交渉、解決のポイント

 訴え提起後、将来の土地全体の活用の際に本件建物の収去が問題とならないようにすべく、地主(クライアント)が借主から本件建物の所有権を取得する方向で裁判所において和解協議を行い、未払地代の一部を本件建物の売買代金と相殺する形で本件建物を取得する和解を成立させ、借主との契約を借地契約から借家契約に切り替えました。
 なお、地主は、借主が借家の賃料を遅滞することを想定しており、その場合は借家契約を解除できるような条項を加えました。

解決後の姿、解決により貸し主が享受した利益

 借主は借家契約の賃料を遅滞しており、時期を見て退去を請求する予定です。

担当弁護士のひとこと

 裁判所に事前に和解の方向性を説明していたため、裁判所の協力もあり想定どおりの和解がスムーズに成立したと思われます。



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