不動産の立退き事件の料金は、他の事件と同様、事件の経済的利益を基準として算定されます。
1 建物の立退き事件の料金
① 建物の立退き請求事件の経済的利益は、対象となる建物の時価の2分の1の額に当該建物の敷地の時価の3分の1の額を加算した額になります。この経済的利益に、下記の料率を乗じて算出したものを着手金、報酬金とします。
記 | |
(着手金) | |
経済的利益300万円以下 | 8.8パーセント |
経済的利益300万円を超え3000万円以下 | 5.5パーセント |
経済的利益3000万円を超え3億円以下 | 3.3パーセント |
経済的利益3億円を超える部分 | 2.2パーセント |
(成功報酬金) | |
経済的利益300万円以下 | 17.6パーセント |
経済的利益300万円を超え3000万円以下 | 11.0パーセント |
経済的利益3000万円を超え3億円以下 | 6.6パーセント |
経済的利益3億円を超える部分 | 4.4パーセント |
② 例えば、立退きの対象となる建物の時価が3000万円、その敷地の更地としての時価が9000万円である場合、建物の時価の2分の1の額(1500万円)に、敷地の時価の3分の1の額(3000万円)を加算した額(4500万円)が経済的利益となります。そうすると、着手金標準額は224万4000円(税込)、成功報酬金標準額は448万8000円(税込)となります(速算表から、該当部分を抜粋します)。
経済的利益の額 | 本体額 | 消費税 | 合計額 |
4500万円 | 2,040,000円 | 204,000円 | 2,244,000円 |
経済的利益の額 | 本体額 | 消費税 | 合計額 |
4500万円 | 4,080,000円 | 408,000円 | 4,488,000円 |
③ 上記②は、裁判手続を行うことを前提とした料金です。裁判手続きを行わずに示談や調停で解決する場合は、原則として上記②の料金の3分の2の金額になります。
2 土地の立退き請求事件の料金
① 土地の立退き事件の経済的利益は、対象となる土地の時価の2分の1の額と同土地の賃借権の時価のうちいずれか高い額になります。この経済的利益に、上記1と同じく料率を乗じて算出したものを着手金・報酬金とします。
② 例えば、立退きの対象となる土地の更地としての時価が9000万円、同土地の賃借権の時価が敷地の更地価格の70%である6300万円である場合、賃借権の時価(6300万円)が土地の時価の2分の1の額(4500万円)を超えているため、賃借権の時価(6300万円)が経済的利益となります。そうすると、着手金標準額は283万8000円(税込)、成功報酬金標準額は567万6000円(税込)となります(速算表から該当部分を抜粋します。)。
経済的利益の額 | 本体額 | 消費税 | 合計額 |
6300万円 | 2,580,000円 | 258,000円 | 2,838,000円 |
経済的利益の額 | 本体額 | 消費税 | 合計額 |
6300万円 | 5,160,000円 | 516,000円 | 5,676,000円 |
③ 上記②は、裁判手続を行うことを前提として料金です。裁判手続きを行わずに示談や調停で解決する場合は、原則として上記②の料金の3分の2の金額になります。
3 ご依頼人との協議による算定
上記1、2の料金は、標準的な算定例です。事案の難易度、複雑度やご依頼人の事情などの実情によりご依頼人と協議の上、上記の算定方法と異なる方法で料金を算定することもできます。
※法律相談のみの受付もさせていただいております。法律相談料 5,500円/30分(税込)
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